入学したばかりなのに、退学しなければならないか…
私はうつと診断されて5年経ち、現在も治療を続けています。
5年前のある日、2週間ほど気が沈む日が続き、何かをする気力も湧かない状態に陥りました。
それ以前も一時的に気が沈む時がありましたが、その時は新聞を読んでも内容がすんなり頭に入らなかったり、行かなければならない用事に出席出来なかったりと、これまで無かったような異変も同時に現れました。
これは何か変だと思い、精神科にかかったところ、うつであると診断されました。
当時は大学院に入学したばかりでしたので、診断を受けた当初は、「せっかく入学したばかりなのに、退学しなければならないか」とも考えましたが、医師や教員と相談の上、少し修了時期が延びることになるものの、学業の負担を減らして治療を続けていくことを決めました。
うつの症状は、薬を飲んですぐ良くなるというものではなく、浮き沈みを繰り返しながら、徐々に改善していくものです。
治療から5年が経ち、未だ完治には至っていませんが、学業を続けながら、徐々に回復に向かっているところであります。
周りの方々のうつへの理解
ただ、5年の間には苦労もありました。
うつを発症してから、これまで通りに学業が進まずに苛立ちを覚えたり、気分が沈んで出席すべき授業を放り出してしまうこともありました。
しかし、その度に医師や教員、同級生の助けで落ち着きを取り戻し、再び学業に戻ることが出来ました。
もし周りの方々のうつへの理解が無ければ、今頃は学業に戻れなかったかもしれません。
現在も治療が続き、未だ本調子ではありませんが、調子を取り戻した際には、周りの方々にはお礼の気持ちを表したいと思っています。
長期戦ゆえに
現在、気が沈む日が続いたり、何かをする気力が湧かなくて日常生活に支障が出ている方は、早急に精神科にかかることを強くおすすめします。
私自身、最初は数日休んでいればどうにかなると考えていましたが、日に日に状況は悪化していくばかりでした。
あの時早急に精神科にかかるという判断を下したのは正解だと思っています。
精神科で治療を始めたものの、改善が見られず治療を止めてしまうという方もいると聞いたことがありますが、先に述べた通り、うつは薬を飲んですぐに治るという病気ではなく、長期戦を要します。
短時間に劇的に症状が改善しないことや、治療に入っても気分の浮き沈みがあることから不安を感じられる方もあるかと思いますが、うつは適切な治療を施せば、浮き沈みを繰り返しながらも徐々に症状が改善していきます。
長期に渡る治療には不安や困難が付き物ですが、適切な治療と周りの人々の力で、私も完治に向けてうつと向き合い、最後まで歩き続けようと思っています。