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うつ病は「こころ」の病気だと考える方が多いですが、「絶望的なこと」や「死」を考えたりする以外にも様々な症状があります。
もちろん個人差がございますので、今回は私が実際に体験した、あまり世間では知られていない症状で、かつ深刻な問題に発展しうる症状について述べます。
①思考制止
この言葉を聞かれた方はあまりいらっしゃらないと思いますが、簡単に説明すれば「頭が働かない」「集中できない」「考えることができない」というような症状のことを指します。
まさに「思考」が「止まる」感じです。
何か考えても頭の中がぐちゃぐちゃしてまとまらなく、自分の伝えたいことを伝えるのも時には困難になります。
例えば、外出先で店員さんに自分の探している物を説明しようとしますが、うまく話がまとまらず、買い物すらろくにできなくなります。
他にも、他人から何かの説明を受けても、全く頭に入ってこなくなります。
一昔前の精神医学の分野で、最も権威のある雑誌に掲載された研究で、うつ病は記憶に障害を及ぼすというものがあります。
この研究は、「家族のことを忘れる」とか「今どこにいるのかを忘れる」ということではなく、覚えるのが苦手になるというたぐいの記憶の障害です。
先ほど述べましたように、頭が働かなくなり、簡単なことでも記憶するのが難しくなります。
判断力もうつ病状態では鈍りますので、うつ病状態では将来に影響を及ぼすような重要な決断や判断はしない方がいいと思います。
おそらく、医師や看護士さんにこのようにいわれるのは、思考制止の症状があるからです。
②易怒性(えきどせい)
うつ病状態の方は、ちょっとしたことでイライラしてしまいます。
普段全く怒らない方が、うつ病に罹患してから急になんでもないことで声を荒げたり、怒りだしたりすることがあります。
そして、そのイライラが長時間おさまらないことも多々あります。
この症状は、あまり知られておらず、そのために今まで築いてきた人間関係を壊してしまう可能性もあります。
このイライラを抑えるために、医師に相談して抗不安薬や抗精神病薬を出してもらうこともできます。
頓服として服用し、イライラを落ち着かせるお薬です。
このイライラを抑えるお薬は危険なものではないですので、本人の苦痛を和らげるためにも、また、これまで大事にしてきたものを台無しにしてしまわないようにするためにも、主治医に処方してもらう方がよいかと思います。
以上の二つは、友人や会社など社会面に深刻に影響が及ぶ症状です。
また、あまり一般的には知られておらず、イメージもないと思います。
うつ病は、自分の問題だけではなく、周りにも関わってくる問題でもありますので、このブログを機会に是非知っていただければと思います。